あなたは自分の長所について、スラスラと言えますか?
仕事や社会で実用的に役立つかどうか、というような面接の時に自己アピールするような長所というよりも、もっと日常的な、普段の生活で垣間見れるあなたの魅力的な部分のことです。
10年ほど前に、親しい友人たちとグループで「お互いの長所や素敵なところを10箇所書き出す」という遊びをしたことがあります。いついつまでと期限を決めて、emailで送り合うというもの。大好きな友人たちと取り組んだので、お互いの長所を10箇所見つけるのはたやすいことで、中には10でおさまらず20箇所書いちゃった!という人もいたりして、そしてその内容があまりにもささやかすぎて笑えるものも多々あり楽しい体験でした。誰かが教えてくれた自分のささやかな魅力って宝物のようなものです。
このようなワークは、組織におけるコーチングでもチームビルディングの一環として行うことがあります。チームや組織内の絆を強めることに役立つだけでなく、自分のどういうところが周りに評価されているかを知ることで、仕事上だけでなく人生全体での自分のナラティブやセルフトークをより前向きな方向に変えてゆくこともできる実用的なエクササイズなのです。
たとえば、私たちは十人十色と言われるように、人によって何が魅力的に映るかは全く違っていることもあります。ある人は、あなたの強さよりももろさに憧れるかもしれないし、あなたが完璧にこなしている部分よりも、不完全なところにより魅力を感じているかもしれません。
また、自分にとっては当たり前のことが、意外にも他の人にとっては真似したい素敵な部分だと思われていたり、自分では気が付きもしないことがチャーミングだと思われていたりすることもあり、予想外な自分のイメージを発見することもあります。
日本人である私たちは「完璧であること」にこだわる傾向が強く、常に「自分なんてまだまだ」と考えていたりします。日本文化におけるそういう意識は「謙虚さ」や「高い目標を持ちさらに上を目指すこと」などのポジティブさとして捉えられることが多くありますが、実際には自分の欠点に目を向けながら常にダメ出しをするのがクセになっている場合もあり、たびたび落ち込んでしまうという人も少なくありません。
人間関係は鏡のような作用がありますので、自分の欠点が気になる時には、周りにいる自分よりも優れている誰かの存在を意識している時が多いのですが、その誰かの存在が自分のいいモチベーションになるよりも苦しさになっていたりすると、毎日が辛くなってしまいます。
身近な人たちとお互いの長所や素敵ポイントを伝え合うこのワークは、お互いがお互いの人生にいい作用をもたらしていることを知らせ合うことができる、とても前向きで実用的なエクササイズです。自分のことを新たに発見する材料として、そして自分の人生の一幕に存在してくれているあの人に感謝と尊敬を伝えるツールとして、ぜひ身近な人たちと取り組んでみてください。
身近な友人や家族と取り組む「あなたの素敵なところ」ワーク
「私はあなたのこういうところが長所だと思う。素敵だと思う。」という視点で、相手の長所を10点箇条書きします。
できればその理由やそれを感じた場面も付け加えてあげると、相手に伝わり易くてよりプラスです。
一方的に伝えるのではなく、一対一またはグループで取り組みましょう。
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