
旅は誰にとっても必要なもの。気分転換をしたり、考え方や感じ方に変化を与えてくれる貴重な体験です。機会が訪れたならできるだけ出掛けるべきです。
でも、エネルギーに敏感なHSP(Highly Sensitive Person)の人にとって、旅はただ楽しいだけではありません。五感の鋭さからさまざまな情報を無意識に受け取って人一倍多くのエネルギーを「感じること」に費やすHSPの人たちにとって、旅は疲労消耗する体験でもあります。
今回は、そんなHSPの人がより快適な旅行をするためにできる対策を3つの項目に分けご紹介していきます。
①プロテクション
旅行中は誰でも、五感が普段以上に活発になります。普段と違う景色の中で見るもの、聞こえる音、食べるものなど、脳はさまざまな情報を得て、その情報処理に忙しく働きます。旅で得る体験は刺激的である反面、五感が人一倍鋭いHSPの人にとっては感じすぎて疲れてしまうことがあります。ですから、必要ない情報を受け取らないでいいように、自分自身を外側の刺激からプロテクトしましょう。
たとえば、飛行機・電車移動中は余計な音を感じないでいいようにノイズキャンセリング機能のあるヘッドホンを使います。マスクや帽子を身につけて、嗅覚や視界を制限することで余計な情報から自分を守ります。また、スカーフなどを膝掛け・首に巻いたりして、寒暖の差から身を守ることも大切です。旅行で感じる新鮮な刺激を楽しみつつも、いらない部分はできるだけ感じなくていいように、しっかりとプロテクションをして疲れにくくしましょう。
また、HSPの人は直感が鋭い人が多いようです。直感が鋭いということは、目に見えないエネルギーに敏感だということ。この場所はなんとなく気持ちが悪いとか、この店には入りたくないといったような、理由の説明できない何かを感じることも少なくありません。ですから、旅先で訪ねる場所も滞在する場所も、そういったことに気をつけて慎重に選ぶようにしましょう。
たとえば、観光名所だからといって無理して訪問せずに、何か違うと感じたら近づかないことです。エネルギーに繊細でない人は、仮に微妙な場所に行っても「自分の趣味ではなかったな」という感想だけでサラリと流すことができますが、HSPの人はその場所の微妙なエネルギーの波動を浴びて、気分が下がってしまうことがあります。そういったことを避けるため、訪れる場所のエネルギーにも気を配りましょう。直感を使って選ぶことを大切にしてください。
②快適さ
HSPに人にとって、快適さを感じることはとても大切なことです。なぜなら、HSPの人が最も高いパフォーマンスを発揮できるのは、快適な環境に身を置いている時だから。それって誰でもそうなのでは?と思われるかもしれませんが、エネルギーに敏感なHSPの人にとっての快適さは、一般的な基準からさらに踏み込んだ、五感や直感が鋭い本人にしか分からないレベルでの快適さです。快適さの感じ方には個人差がありますので、HSPの人は、自分が苦手なエネルギーを知っておくと同時に、自分にとって何が快適なのか、どんな状態や環境が心地いいのかを自分自身を観察しながら知っていく必要があります。
旅行においての快適さとは、たとえばまずは誰と一緒に旅をするかということ。良くも悪くも、一緒に過ごす相手のエネルギーを感じ取ってしまうHSPの人は、誰と旅をするのかを慎重に考えなければなりません。たとえば、数時間のお茶やランチをするには楽しい相手でも、長時間となると疲れてしまう場合もあります。快適さについての価値観が似ている人や、体力やスタミナのレベルが自分と近い人と旅行することで、お互いにとって無理の少ない旅行ができます。
宿泊先の快適さに気を配ることも重要です。清潔感はもちろんのこと、空気の入れ替えができる場所かどうかは重要ポイントです。できれば、窓を開けて空気の入れ替えをすることで、前の宿泊者のエネルギーや、よどんだ空気を浄化することができます。ホワイトセージを使ってスマッジングをする習慣がある人にとっても、窓が開くかどうかは重要ですよね。
宿泊先の費用対効果のキーコンセプトは、快適さを優先して考えましょう。安いからといって微妙なところに滞在するよりも、少し多めに出しても快適でいられる場所に滞在する方が、大きな流れでは自分にとっていい影響があります。もちろんリーズナブルなことに越したことはありませんが、エネルギーに敏感なHSPの人は、宿泊先の微妙さによって旅の体験そのものが台無しになることもあります。宿泊先は思慮深く選択しましょう。
③2種類の充電
自分を充電するために旅に出かける、という人も多いかと思いますが、HSPにとって、旅は充電だけでなく消耗する体験でもあります。家に帰った時、「ああ疲れた・・・」となるのか、それとも、「楽しかった!」と感じるのか。それは、旅の途中で2種類の充電を使い分けて、その両方をきちんとできたかどうかにかかっています。
2種類の充電とは、まず旅でさまざまなことを感じることによってチャージされる「精神の充電」と、そしてもう一つは休息することによって得られる「身体の充電」です。
精神の充電とは、自分の心をときめかせてくれたり、文化的な体験をしたり、知識欲を満たせてくれる体験、または誰かと過ごすクオリティタイムであったりなどの、心を満たしてくれる体験によって得られる充電です。
そして、身体の充電とは、その名の通り身体を休めることで充電させること。適度な休憩を入れながら旅ができているか、快適な睡眠が取れているか、クリーンな食事が取れているか、適度な運動ができているか、マッサージやお風呂時間などで身体の疲れを休める時間が取れているかなど、身体を労わるためのさまざまな要素が身体の充電に影響します。
旅の中にこの2種類の充電が組み込まれていると、旅の終わりにはきっと、「楽しかった!また旅に出たい!」と思えるような充実した気持ちになります。ですから、旅を計画する際には、2種類の充電ができるような旅程を組み立てましょう。
以上、HSPの方に向けた旅行の際に考えたい3つのポイントをご紹介しました。感受性豊かなHSPにとって、旅はその美しい感性をさらに磨いてくれるとくべつな体験です。自分の快適さを守って、充実した旅行に出掛けてくださいね。
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