静岡県で「里山の暮らし」を営む庄子妙絵さん。ご主人「たっちゃん」やご近所さんたちとの日々の出来事をときどきコラムに綴ってくれています。今回は旬のタケノコにまつわる、タケノコ日誌。前半戦と後半戦を2週に分けてご紹介します。まずは前半戦から。
少しずつ暖かい陽気になってきた3月末。花ももの芽が膨らみ、たらの芽が伸びてきて、タンポポやツクシも出てきた。私の心はざわつき始める。裏山のタケノコもそろそろ出る頃かしら?この頃になるとお隣さんとの話題はいつもタケノコについて。お隣のいわさんは、誰よりもこの地域のタケノコ事情に詳しい。
私はいわさんに会う度に、「いわさん、タケノコどうかね〜?」と聞く。
いわさん:「ここらで雨でも降ればボチボチ出るさ」
3月27日
朝、お隣からタケノコが届く。
お隣さん:「はい、お裾分け!」
わたし:「わ!うれしい〜。私もぼちぼちタケノコ堀り開始するかな!」
例年の流れでは、お隣からタケノコが届くとたけのこ堀り解禁のサイン⭐️
しか〜し、、その後、、、、裏山に入り探せども、探せども。。。
「う〜んまだ無い。里山も場所によっては伸び具合が違うのかなぁ?」
3月31日
朝から雨が降ったり止んだり。たっちゃんがお昼頃、早めに仕事から戻ってくる。昼食後、薪割りを始めたたっちゃん。
たっちゃんの薪割りが終わる頃に、、、、「あのさ〜、ちょいとお散歩行くか!」と声をかける。
たっちゃん:「どこに〜?」
わたし:「裏山だよ。裏山の様子ちょっとばっか一緒に見て欲しいの。」
たっちゃん、私の裏山散歩にしぶしぶ付き合う。
散歩といえど、私はクワと背負子(しょいこ)を持ちタケノコ掘る気満々!
タケノコを見つけるにはポイントがある。タケノコのテッペンの黄緑の「モヒカン」みたいにシュッと出た部分を探すこと。雑木林の中、目を凝らしながら私達は集中してモヒカンを探す。
私:「あ、ここ!」ちょっと歩く、「あ、そこ!2つある!」
たっちゃんにクワを渡し、あとはよろしくお願いします!たっちゃん、掘る。
私:「ここ!」「そこ!」たっちゃん掘る。
たっちゃん:「僕はたえちゃんみたく『タケノコ眼』無いから見つけられないよ〜。」
私:「ちゃんと見てないからだよ〜。『あ、ここ!』」
たっちゃん用語「タケノコ眼」とは、タケノコを見つけることができるスキルのことらしい😅
なぜだか、たっちゃんはモヒカンを見つけるのが私より下手。一緒に竹の子堀りに出ると、「僕はタケノコ眼が無い」とぼやく。。。😅
この日は5つほどたっちゃんに掘ってもらい、私達の今年のタケノコシーズンが始まった。
次からは、私も体を張ってモリモリ掘るぞ!
4月1日
本日快晴、風強め。
今日から張り切って単独で裏山のタケノコ堀りに挑みます!
タケノコ掘り4種の神器、地下足袋、背負子、くわを持ち、腰に*なたのマモちゃんを下げ、戦闘態勢!
*なたのまもちゃんとは、まもるさんにもらったナタ。
裏山に入り、必殺!「タケノコ眼」で集中して「モヒカン」を探す。
雑木林の地面には、小枝や葉っぱ、石なども落ちていて分かりにくいのだが、だんだん目が慣れ研ぎ澄まされてくる「タケノコ眼」👀。
見えるぞ見える〜イエローのモヒカンが!宝探しのようで楽しい⭐️。
この日は6本掘って持ち帰り、すぐに都内に住む姉と、たっちゃんの仙台の実家に箱詰めにして送る。
竹林の感覚としては、タケノコのピークはまだ先のよう。
ヤツらは地中に潜んでいる、、、きっと明日私が戻るまでにスクスク〜〜と伸びるのであろう。。。明日も勇んで戻るぞよ!
日曜から毎晩我が家の夕食には、必ずタケノコレシピが加わるようになりました。
4月3日
日本もいよいよコロナが爆発するの?ネットやテレビのニュースではコロナの話題ばかり、暗い話題に不安や心配で頭が洗脳される。気分も落ちる。テレビを消し、裏山に入って行く。
さ〜〜と言う風の音。
鳥の鳴き声が響いている。
風で木々が揺れ葉っぱ同士が擦れる音がする。
裏山の木々に囲まれながらタケノコ掘りに夢中になりふと気がつくと、心のモヤモヤが無くなる。それどころか、元気を取り戻せる。
裏山はこういう時にこんな形で気分を変えてくれる。
タケノコ掘りを終えて家に戻る頃には、気分はすっかりリフレッシュされていた。
4月4日
我が家の桜は8分まで咲いた。暖かい陽気で、毎日タケノコ掘りを続けている。今日も「モヒカン」を見逃すまいと集中しながら、表側、裏側、横側と広範囲を歩き回る。なだらかな所、急な斜面、崖もある。広範囲に渡る裏山めぐるタケノコとの戦いを連日続けてきたせいか、もともと小爆弾を抱えていた右膝に少しずつ違和感。。。。ムムム?!
その日の夕方から次の日にかけて膝が言うことをきかなくなった。😭
翌日は日曜ということもあり、代わりにたっちゃんに出陣していただく。
、
4月6日
日曜のたっちゃんの報告によると、新しいタケノコはあまり出ていなかったそう。ここに来て伸びるペースも遅くなったのかな?
今日はタケノコを長期保存用に瓶詰めにする事にした。熱湯消毒した瓶に、アク抜きしたタケノコ、お酢少々、唐辛子一本、熱湯を入れ瓶詰めにする。瓶ごと熱湯でグツグツ、しっかりと空気を圧縮させれば常温でも長期保存可能に。この方法は数年前、ご近所さんに教えてもらった。おかげで、タケノコの時期でなくても食べられることが出来て嬉しい保存食に。
4月7日
右膝を休ませる意味もあり、2日間山に入るのをお休みしていた。
結果、、、、今朝は大豊作⭐️
タケノコは、見つけたらすぐ掘ってしまわないと美味しく食べられない。そして、1日でニョキッと伸びてしまうので、モヒカンを見つけたらとにかく掘る!
タケノコが背の高い竹に成長するまでは、たったの10日ほどなんですって!
今日は山から降りてくる時、今季初めてのシマヘビに遭遇。ヘビも冬眠から目覚め始めているのね。気をつけて山歩きをしよう!
〜〜タケノコ日誌:後半戦へ続く。。。
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