疲れが溜まってくるとふと思い出す、夏にパリで滞在したSaint James Hotelは、旅人の心を癒す心地よさ満点の素敵なホテルでした。癒しやリラクゼーションなどについて、インスピレーションをもらえた学びの記録として、心に残った風景などを綴ります。
このシャトーホテルは、パリの喧騒から離れた16区にあります。街中で観光したい人にとっては多少不便な場所ではありますが、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりとパリを満喫したい人にはおすすめです。元々は個人の学生を支援する財団のサロンとして使われていた建物なのだそうですが、改装されてホテルになり、2021年にはさらにリノベーションされて生まれ変わりました。私が滞在した時は再オープンの直後。
「おかえりなさいませ。ここをあなたのパリの家だと思って寛いでください。」チェックイン後は、何人もの従業員の方がそう爽やかに言ってくれます。普段は形式的に感じられるそんな言葉ですが、このホテルでは「心がこもっている」温かさを感じるのです。長旅の最後で疲れていたのかもしれませんが、素敵な空間に気後れせずに気持ちよくリラックスできたのは、きっと働いている方々の細やかな心遣いや、アテンティブなのに押し付けがましくないサービスなどの、程よい距離感のおかげだと感じました。日本の旅館で体験するような温かいホスピタリティを思い出して、癒やされた自分です。
財団だった頃の面影を残すライブラリーは、現在ではバーとして活用されています。このバーの担当、マチューさんはミクソロジーのマエストロ。彼の作るカクテルは革新的でしかも美味しいことでとても有名
です。お酒が苦手な自分はアルコール抜きで作っていただいて、バーの雰囲気を楽しむことができました。
壁紙が素敵なこんなベッドルーム。部屋からは正面の庭が見えて、仕事で部屋からほとんど出ずに過ごした日もあったのですが、気分が下がることはありませんでした。
チェックインしたら、ウェルカムシャンパンとアンジェリーナのクッキー缶が用意してあります。
バーでも朝食室でも見かけた黒猫のピローは、このホテルの隠れ主なのだそうです。どの部屋にいても、その部屋の中心に堂々とポジションを取ります。一見どこにでもいそうなかわいい黒猫ちゃんなのですが、その優雅な態度には何か哲学的なものを感じさせるのです。
「自分の存在価値やどうありたいかは自分自身で決めることができるのだ。」とか、「結局、存在感は内側から滲み出てくるもの。」などの考えが浮かんできて、眺めているだけでもいいインスピレーションをくれたピローちゃん。
入ってくるお客さんに触られたりいじられたり写真を撮られたりしていますが、それにじっと耐えている様子はさすが接客のプロです。
ここで食べたエッグベネディクトは、これまで食べたどこのものよりも美味でした。本当に。
パリがとても好きで何度か訪れていますが、色々な面で自分にとってパリは非日常の体験で、でも時折こんな体験があるからこそ毎日を頑張れるのだ、と改めて感じることができたご褒美旅行。
コロナ禍で心のバランスを崩しがちな人が多い中、自分自身もいろんな出来事が重なってバランス感覚を失いそうになることもあったこの約二年間でしたが、一方で、時間やお金も含めて、自分のエネルギーの使い方や、心の整え方や癒し方、そして人との関わり方や働き方、日常の愉しみ方などを考え直せた時期でもありました。
久しぶりに長旅をして、その非日常の体験から、自分の人生について客観的に考えたり、いいインスピレーションやエピファニーを受け取ることができて心が浄化・活性化されました。そのことをこれからの仕事や生活に活かしていけるようにしようと、心に誓ったのでした。
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