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別バージョンの自分



今日はスピリチュアルなお話を。


「自信を持って自分を愛する人になりたい。」

「ああいう仕事をして輝きたい。」

「あんな暮らしができる人になりたい。」


私たちは皆、それぞれにいろんな方向へ自分を高めていきたいと望んでいます。そのことをスピリチュアルな視点で解釈すると、欲しいものや目指す状態を手に入れた自分のことがわりとはっきりとイメージできるときには、その状態がその人の現実になる可能性が高いということになります。


もっと言うと、その状態は、実はすでに存在しています。今の自分がいる時空間とは少しだけ異なるところで、その状態が現実としてあたりまえとして存在する世界の中で、別バージョンの自分がその体験を今この瞬間にしているのです。


SF(マルチバースとか別の現実世界とか、量子物理学とか)などのそういったトピックにピンとくる人もそうでない人も、たとえば過去の自分(今から20年前の自分自身とか)を思い浮かべる時、あの頃の自分と今の自分とが同じ人物だと思えない、といったような不思議な感覚を覚えるのではないでしょうか。考え方も今とは違うし、行動の仕方も今と昔では変化している。確かに同じ自分なのだけど、でも今の自分とは何かが違う。まるで別バージョンの自分。そんな風に感じませんか?


トランスパーソナル心理学を学んで、意識や心の領域でセラピーをさせていただくようになってからというもの、目に見えていることだけが現実ではないという考え方が、自分にとってどんどん身近になってきました。


たとえば、「時間」に関しては「一定ではないし、直線的に流れているわけでもない」といったようなことを感じます。なぜなら、意識や心の領域のセラピーをしていると、「過去、現在、未来の間を意識が行ったり来たりする体験」がよく起こるからです。意識の中で過去を変えて、それに応じて現在が変化するという現象はよくありますし、または未来から何かを受け取って現在を変える、というようなこともあります。こう言うことは一見まか不思議な話と思われがちですが、でも実はそんなに不思議ではなくて、日常の中で無意識にそういうタイムトラベルをしている方が数多くいらっしゃいます。「過去も未来も、全ては今ここに同時に存在している」といったようなことを聞くことがありますが、意識や心の領域に関することに日々触れていると、そういった現象と遭遇することが多々あるのです。


私たちは「今ここ」を軸として、さまざまな時空間に繋がって変化していく存在。だから過去に大変な思いをしていた自分自身を慰めて癒すことで現在の自分が変化するし、同時に現在の自分のことを、別バージョンの世界に存在している別バージョンの自分が導いてくれることもあります。いろんなバージョンの自分がウェブのように繋がっていて相互作用し合うことで、私たちの魂は効率よく成長していく。そう感じるのです。


よく聞く「引き寄せの法則」で起きていることは、実際には何かを引き寄せているのではなく、自分の波動を変化させると意識が決めることで、その波動のバージョンの自分に移行している、ということなのではと感じています。私たちは誰もが一瞬一瞬の意識や心の在り方によって、新しいバージョンの自分へと今ここの軸を置き換えている。そんな気がします。



 


話を戻すと、「こうなりたい」と思い描く自分像はすでに存在していて、しかもその世界は現在の「今ここ」を軸にして生きる自分とかなり近い時空間にある可能性が高いといえます。だからこそ、無限に存在する可能性や選択肢の中から「その特定の状態」を自分自身がイメージできるのです。逆にいうと、考えつきもしないことは山ほどあるわけです。だからわりとはっきりとイメージできることは近い位置にあるということ。


クライアントさんと「理想の未来を思い描くワーク」をすることがあるのですが、数ヶ月後や数年後に、「こうなりたい」と思い描いていた状態がそのまま現実になりました、というような報告を受けることがあります。中には、思い描いていたことよりもさらにプラスアルファされたような、もっと面白い状態が現実になった、といったようなお話を聞くこともあります。


そのまま現実になった方は、真っ直ぐにそのままイメージしたバージョンの自分に移行したのでしょう。当初のイメージと少し違うけれど、でもそれ以上に面白い状態になっているとおっしゃる方は、当初にイメージしていたよりもさらに面白いバージョンの自分に、時空間を移動する途中で出会って繋がった、というような感じなのかなと想像しています。


一方で、思い描いた理想の未来が全く現実化していない、という方ももちろんいらっしゃいます。何も変わっていません、という方もごくたまにですがいらっしゃいます。その場合は、今ここを軸にしている自分の意識が、「変わらないでいるバージョンの自分」とより強く繋がっているのだと思います。理想の状態よりも、変わらないでいるバージョンの自分に繋がっている方が安全だと感じているのかもしれません。または、何らかの傷ついた感情や特定の状態を自覚がないにしろ大切にされていて、そこにずっと寄り添っていたいと思われているのしれません。その場合は、ご本人のタイミングで「変わらないでいることの根源になっている感情のエネルギー」を昇華させる時がきたら、そこから別バージョンの自分へと意識が繋がり、移行していく時がやってきます。焦らなくてもいいし、そんな状態をジャッジする必要もありません。


ある意味、誰もが自分の体験したい状態を体験しています。だからその体験を、二元性の世界でいう「良い・悪い」という基準で判断することはできないものです。たとえ重たい感情でも寄り添っていたいと感じる時もありますし、ひどい経験をしてご苦労でしたねと他人に言われても、本人はそれでもやってみてよかったと思うこともあります。体験することには意味があることを魂は知っていて、だからしっかりと体験し尽くしたら、「もうこの状態は十分に体験した!」といって完了することができるのでしょう。


ちなみに、別バーションの自分へと移行する時、その鍵となるのは感情だと感じています。感情が強く繋がるバージョンの自分自身に、私たちは移行しやすいようです。


そういった意味で、セラピストといった職業の人は、クライアントさんがご自身の感情を捉えることができるようにお手伝いをしたり、または本人が気がついていない感情に気づくように促したりなどのお手伝いをする職業だと感じています。そして、昇華した方が楽になれる感情を見つけたら、それをご本人がどうしたいか確認しています。


魂は大きな感覚で物事を捉えることができます。でも肉体レベルでは感情が行き詰まりを起こしたり、エネルギーが滞ってしまったりもするものです。セラピストはそんな滞りの改善をお手伝いをする人。そんな風に捉えています。


とまあ、今日はふとそんなことを書いてみたくなりました。こういったなかなか書きづらいものなのですが、でも最後まで読んでくださった方が、ありがとうございます。



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