「旅するココロ 」
旅をすると、新しい発見があります。日常を離れて、新しい場所で「気づく」こと。
日常の中ではいろんなことが気になります。周りの人のこと、世間の常識、誰かの意見、過去や未来のこと。そんな日常から少し離れて自分を見つめてみると、新しく分かることがあり、いつもとは違った自分自身を発見する瞬間があります。人生で一番大切な人間関係は自分自身との関係だから、もっと自分を知って心地よい生き方を見つけるために、ときどき旅に出てみます。
北欧に憧れるずっと行ってみたかったスェーデンのストックホルム。念願かなってやっと行けてかなりウキウキだったのですが、夏が短い北欧は、8月でもニット帽を被りたくなるほど寒い日があり、なるほど、だから家の中を暖かくほっこりとくつろげる場所にしたくなるのねと、実感した旅でした。以前にコペンハーゲンに行ったときには真夏だったので、北欧のいいところだけを楽しめたのですね。今回は、これが本来の北欧、みたいな気候をちょっとだけ体験しました。心に残った風景をいくつか載せます。
ストックホルムの空港には、セキュリティを通ってから搭乗を待つまでの場所にいくつもの子供の遊び場があります。それが中途半端な遊び場ではなくて、滑り台とか転がれるマットとかおもちゃなど置いてある、しっかりとした遊び場所。
今回はお天気が悪かったこともあり、インドアの時間を大いに楽しむことにしました。スウェーデンといえばフィカ(fika)!と、張り切って毎日フィカタイム。一見すごく甘そうに見えるスイーツも、アメリカから来た自分にはとても控えめな甘さで、日本人の口にはよく合うものばかりでした。
フィカとは、コーヒーやお茶を飲み、クッキーなどのスイーツをつまむ時間。ポイントは、一人ではなく誰かと一緒にその時間を楽しむことだそうです。家庭や職場などでもフィカの習慣は大切にされていて、現地の友人によると、1日に一度または二度、必ずと言っていいほどフィカをする人がほとんどだそう。国が誇りをもって斡旋する、国民が健康でいるための休憩とコミュニケーションの時間。
アメリカに長く暮らしていると、アメリカ人にはお茶の時間が習慣がないのだと気がつきます。カフェでよく目にするのは、一人で仕事などの作業をしながらコーヒーを飲んでいる人たち。時折、何人かで雑談しながら座っている人たちもいますが、それはフィカみたいな毎日の習慣的なことではありません。アメリカ人がリラックスしてコミュニケーションを楽しむ時間は、夕飯の前にビールやワインを飲むハッピーアワー、つまりフランス人の「アペロ」に近いものかなと思います。
自分の住むサンフランシスコでは、平日にアメリカ人に「お茶しない?」と声をかけると、「オッケー!」と言われますが、行く場所はカフェよりもワインバーとか、昼間であればジュースバー(フレッシュジュースやスムージーの店)とか、または結局どこかでランチになるとかのことが多いです。週末には、BBQしたり公園でピクニックしたりすることもありますが、平日にフィカのようなわきあいあいとしたお茶の時間を過ごすことはアメリカ人とは珍しいかなと思います。
例えば、カフェは飲みものを買ったら直ちに立ち去る(カフェインが必要だから行くのだ!みたいな感じ)、または仕事や勉強をする場所として使う、仕事の打ち合わせに使う、何かを食べるから座る、などのイメージが強いです。忙しい街なので、昼間にカフェでお茶をするということの非効率性(食事でもなく、リラックスさせてくれるアルコールでもない)が浸透しにくいのでしょうか。
ちなみに、ブルーボトルコーヒーなどの人気店は待ち時間が長いので、誰かと一緒に買いに行ってその待ち時間に立ち話で雑談する、と言うようなことはよくあることだと思います。職場の人同士だと、そんな時間がちょっとコミュニケーションの時間になったりとか。
そんなわけで、ストックホルムで目にした光景、フィカを楽しむ人たちというのはお茶時間が大好きな自分のような日本人の心には響くものがあります。
ヨーロッパに行くと、アメリカ人は忙しすぎる、と思います。アメリカ人というよりも、サンフランシスコベイエリアの人たちが忙しすぎるのかも。。。以前にノースキャロライナに住んでいた時には、もう少しゆったりと暮らしていましたから。
また、ストックホルム水の都市でもあります。水上タクシーを大いに利用してあちこちを巡りました。
美術館巡りであちこち行った中で特に気に入ったのは、写真美術館のFotografiska ちょうど、セレブリティフォトグラフィーで知られているFrank Ockenfels のエクシビジョンをしていたのですが、彼のフォトブックは圧巻。クリエイティビティを刺激されました。
宿泊したのは、Nordic Light Hotel です。セントラルステーションの側でとても便利でした。荷物が多かったので広目のお部屋Deluxe Roomにしたのですが、北欧家具で統一されたインテリアはとっても居心地が良かったです。ロビーに隣接しているレストランには、おしゃれな方々(地元の会社帰りの人たちなど)も立ち寄り、とても賑わっていました。
美しい建物や水辺の景色、美しい人々を眺めて(スウェーデン人は美男美女多し)フィカを楽しみ、穏やかな都市の雰囲気を堪能できた、とてもいい滞在でした。
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