「自分を愛すれば人生が変わる!」という言葉を聞くことがよくありますが、私もこれは本当にそうなのだと思っています。心のケアのお仕事に就いてからはとくに、自分の提供するサービスの真髄としてとても大切にしています。
でもだからといって、いつも自分への愛情でいっぱいな状態でいられるわけではありません。ときには自分へのダメ出しや、非難の声がうるさくなることもあります。そんな時、自分を愛するためにできることは、「自分へのネガティブな思いに気づき、それを深呼吸をして手放し、自分をいたわり、そして前を向いて歩くことを意識すること」を繰り返していくことだと思います。これは一生をかけて続けていく習慣で、習慣になるからこそ自分への肯定的な思いが固まってゆくのです。
気がつく⇨深呼吸⇨手放して、いたわる⇨前を向いて歩くことを意識する
それぞれのステップをもう少し細かく書いてみます。
1)気がつく
まずは自分が自分を非難していることに気がつけることが大切。「あ、また始まった」という具合に、自分への非難の声がうるさくなってきたら、自分のその状態に気がつくようにします。
2)深呼吸
人はストレスを感じていると呼吸が自然と浅くなっています。呼吸が浅くなると体も脳も違和感を感じますし、100%の状態で機能することができません。目を閉じて、深い深呼吸を何回か繰り返すだけで、ストレス度が緩和されてゆきます。
3)手放して、いたわる
不甲斐ない気持ちを感じている自分を責め続けるのではなく、いたわってあげるようにします。いろんなことを考えてしまう自分の複雑な心に寄り添って、ジャッジせずに見守ります。
ときには自分を大きくいたわってあげるために、セラピーを受けたり、リトリート したりなどして、自分を癒すための機会を持つと、溜まっていた悲しみが深く癒されます。
4)前を向いて歩くことを意識する
そしてその上で、「前を向いて歩く」ことを自分で決めます。へこむ気持ちや落ち込んでいる状態に浸るのではなく、自分で意識して「その状態をやめる」ことが大切です。前を向くことを決めることは、自分を肯定的に受けると決めること。人任せにせずに、自分の状態を自分自身で決めることがポイントです。そして決めたら、後ろ髪惹かれながらも前を向いて進んでゆきます。
自分にもっと自信が持てるようになりたいという思いを抱えている人は少なくありません。でも、自信というものはある日突然身につくことでもなければ、誰かが認めてくれたから身につくというものでもありません。100人いたら100人全員が自分を高く評価してくれるわけではありませんし、逆にそうじゃないのにそうだと信じていたらそれは幻想・妄想です。だからこそ、外側からの評価に頼っていても永遠に完全になることはないわけで、自分で決めることなのだと思います。
傷ついたり自分にガッカリすることが起きても、最後には自分自身に「大丈夫」と言ってあげられるようになること。そして、究極の目指す状態は「自分自身に快適になること」だと思います。
何かを達成したり人に認めてもらうことも、もちろん自信をつける大きな糧になりますが、何よりも重要なのは、その過程で自分自身とどう付き合いながら物事を進めていくのかだと感じます。なあえなら、自分のことを責めたり嫌になりながら何かを達成しても、それはトラウマになるかもしれませんから。もしかしたら「もう二度とやりたくない」と思ってしまうかもしれません。
よく、人生はゴールが大事なのではなくて、その旅の過程が大切なのだ、と言いますが、自分への愛情はこの「過程」を大切にすることで育ってゆくのだと思います。
ネガティブな気持ちになることは、誰にでもあることです。そんな自分とどう付き合ってゆくのかを考えて、自分がどうありたいかを自分で決めて、へこんでも「きっと大丈夫」と前を進んでゆく習慣が、自分への愛情を深めていくのだと信じています。
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